【研究成果のご紹介】

熊本大学発生医学研究センター 幹細胞制御分野

ES細胞を効率よく膵臓前駆細胞に分化させる方法の開発

 私たちの研究室では、糖尿病の治療に役立てるために、ES細胞から膵臓のβ細胞を作り出す研究を進めています。これまでにもβ細胞が少しできたという報告はありましたが、実用可能なレベルの量の細胞を作る方法はまだなく、またβ細胞ができるまでの過程を細かく調べた研究もありませんでした。
 今回、私たちは、ES細胞が膵臓前駆細胞(β細胞になる途中の細胞)に分化するのを助ける能力を持つ細胞を探して、M15細胞という特別な細胞を発見しました。さらに、分化する過程を詳しく調べて、培養する時に加えるものをいろいろ比較しました。その結果、下の図に示すように、ES細胞をM15細胞の上で培養し、そこに特別な因子を加えることで、全体の中で30%の細胞を膵臓前駆細胞にすることに成功しました。
 今後は、今回開発した方法をもとに、β細胞作成技術を更に向上させていく予定です。なお、この成果はStem Cells電子版に先行掲載されました。
 また熊本日日新聞(2008年2月8日朝刊社会面34頁)にも、掲載されました。(切り抜き)

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