サラフィナの物語  The Story of Sarafina

 サラフィナの物語は、第12回「アフリカの子どもの日 in Kumamoto」
  (2004年7月11日開催)のシンポジウムで、発表されたものです。

 この企画は、日本ユニセフ協会熊本支部の実行委員会で発案され、
 実行委員や、ボランティア参加者からの、さまざまな助言をもとに、
  ◎済々黌高校2年 西坂智葉さんが、文章を作り、
  ◎熊本高校1年 本田はつなさんが、絵を描きました。

 この文章・絵の学校・教育機関での非営利目的の利用は自由ですが、
 ご利用に際しては、監修者の熊本大学・粂和彦まで、ご一報下さい。
 プレゼンテーション用にまとめたパワーポイント・ファイルもあります。
 (ご連絡は、こちらまで)

 なお、ユニセフ、および日本ユニセフ協会は内容に責任を持ちません。
 著作権、及び、一切の責任は、作者と監修者(粂和彦)に帰します。

 (各イラストをクリックすると、より大きいサイズで表示されます。)


今日はユニセフ「アフリカ子どもの日」に参加していただきありがとうございます。
今日の主役は参加して下さっている皆さん一人一人です。 みなさんはアフリカといえば何を思い浮かべるでしょうか? 広く雄大(ゆうだい)な草原(そうげん)にライオンやゾウがいる。 そんな風景(ふうけい)を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか? それはきっとテレビを通して見たアフリカの姿だと思います。 もちろんそれもアフリカの姿に変わりはありません。 しかし、その風景、みなさんが思い浮かべた絵の中にアフリカの人々は出て来ましたか? ほとんどの人が想像(そうぞう)していないでしょう。いえ、想像出来ないでしょう。 私たちはアフリカの人々の生活を想像も出来ない程知らないのです。 同じ地球上にいながら・・・それはなんだか、さびしいことではないでしょうか。 アフリカの人々の生活が、直接私たちの生活と関わることは少ないかもしれません。 しかし、アフリカを、世界のことを知ることで自分の世界、視野が広がるでしょう。
そこで、アフリカを知るための第一歩(だいいっぽ)として、今日のもう一人の主役とも言えるアフリカに住む一人の女の子を紹介します。

彼女はアフリカに住む女の子で名前はSarafina(サラフィナ)。
今日、参加して下さっている中学生、高校生と同じ位の年齢(ねんれい)です。
まずはSarafinaの家族を紹介しましょう。

Sarafinaは一番上のお姉さんで、妹・弟が合わせて12人います。 しかし、その内の半分、つまり6人は本当の妹・弟ではありません。 また、親戚(しんせき)でもありません。
この妹・弟たちは、Sarafinaの家の隣(となり)に、両親とともに暮らしていました。 しかし、父親は紛争(ふんそう)のために兵士となり生死は不明です。

母親は一年程前にエイズ(HIV/
AIDS)で亡くなってしまいました。
そのため、Sarafinaの家でみんな暮らしています。
子ども達の中にはHIVの子どももいるでしょう。
アフリカでは「村の子どもは村の人みんなで育てる」という考え方があるので、このことは特に珍しいことではありません。

Sarafinaのお母さんは、13人の子どもを女手(おんなで)一つで育てるために娼婦(しょうふ)をしています。


次に、Sarafinaたちの生活を少し紹介しましょう。

Sarafinaは一番上のお姉さんなので、家事(かじ)や下の子ども達の世話をしています。13人のうち学校に通っているのは6人だけです。
その他の子ども達は、昼間もSarafinaのお手伝いをしています。小さい頃から家族の一員として働いているのです。
遠くの川まで水くみに行ったり、薪(たきぎ)を拾い集めたり、紙や木でかまどの火をおこしたり・・・
しなければならないことはたくさんあります。家族みんなで助け合い、支え合って生きているのです。


子どもたちは、少しでも時間があると、身近(みぢか)にあるもので、おもちゃを作って遊んだり、歌を歌ったり、ダンスをしたりします。

Sarafinaには、12歳の妹がいます。
この子は数ヶ月前までは、学校に通っていましたが、結婚が決まったために、学校をやめなければならなくなりました。

Sarafinaの家のまわりには、まだ少し緑が残っています。
しかし、少し離れた場所では、人々が生活のために多くの木を切ってしまい、
砂漠(さばく)のように、何もない場所が広がりつつあります。


ここまでSarafinaのことや家族のことなど、Sarafinaの周りのことについて簡単ではありますが、紹介しました。
みなさんはSarafinaや、その家族についてどう思いましたか?
なんで?どうして?といった疑問やもっと知りたい!と思ったこともあるかもしれません。
今日のアフリカの子どもの日が、みなさんの心に少しでも残り、また来年も参加したいと思っていただけるような 素晴らしい日になればいいと思っています。
ありがとうございました。