粂 和彦のホームページ K-Net へようこそ
健康教育フォーラム(大阪)にて、養護教諭対象に行った講演の資料
【2011/7/22 健康教育フォーラム(大阪)講演資料】
ファイル名:Osaka2011.pdf
:講演で使ったパワーポイントをPDF化したファイルで、1.4メガバイトです。
:著作権の問題などから、一部、削除してあります。
:パワーポイントファイルは、拡張子を変更して下さい。5メガバイト程度あります。
睡眠日誌(睡眠記録表)は、下記の相談コーナーの一番下にあります。
ダウンロードして、お使い下さい。
睡眠障害相談室:相談コーナー
以下は、教育現場での使用目的のパワーポイントファイルです。
小学生向け
中学生向け
:コメントや要望・ご意見を歓迎します。
:質問も気楽にどうぞ。=> こちらから
早速、中学校の養護教諭の先生から、下記の質問を頂きました。
1.保健室で、ぐっすり眠ってしまう子がいます。寝起きが大変悪いのですが、どのくらい眠らせるのが適当でしょうか?また、保健室で睡眠を取ること、そのものが良くないのでしょうか?
一般的に、仮眠(午睡)は15分から30分以内が良いとされています。その理由は二つで、まず、睡眠時間が20分を超えると、深い睡眠(ノンレム睡眠の3段階や4段階)に入ってしまうことが多く、そうなると、すぐには目が覚めにくくなり、寝起きが悪くなるからです。さらに深睡眠が長く続くと、今度は体温が下がってきます。一度、体温が下がってしまうと、体がだるくなって、その状態が2時間以上続くとされます。ですから、長く眠ってしまうと、かえって眠った後の調子が悪くなるので短時間が良いわけです。2番目の理由としては、短時間の仮眠でも、具体的には5分以上眠れば、眠気がかなり解消されることがわかっているためです。
しかし、小学生、中学生や高校生などの若い人で、睡眠不足が貯まっている場合には、実は15分程度の短い睡眠でも、深くなってしまうことが多いです。脳波を取ってみると、15分後にはノンレム睡眠の段階4という最も深い睡眠になっていることもあります。ですから、大人の場合には15分〜30分ですが、子どもの場合には、15分以内(寝付いてからではなく、横になってから起きるまでのベッドに入っている時間)が良いと考えられます。また、保健室のベッドで横になってしまうと、すぐに熟睡してしまうので、イスに座って、机に突っ伏すような感じで仮眠を取らせた方が、浅い睡眠になります。もしあれば、リクライニングできる程度のイス(安楽椅子)が良いとされています。
ただし、これは、あくまで短時間で起こす場合です。子どもによっては、夜間の睡眠が、本当に足りないこともあります。(これは睡眠表をつけさせて、チェックして下さい)それを補う目的で保健室を使うのなら、1時間以上、ぐっすり寝かせてあげても良い場合もあると思います。残念ながら、家でも学校でも、睡眠時間の個人差についての理解がほとんどない現状では、必要な睡眠時間をなかなか確保できず、午睡が必要になっている子もいますので、頑張って朝起きて登校している場合、しばらく保健室で休ませてあげるのは、良いことになる場合もあります。その場合、保育園や幼稚園で必要とされている「お昼寝時間」と同じと考えてあげて下さい。
保健室で、睡眠を取ることは悪いことではありません。睡眠不足が軽い(眠気が軽い)場合には、短時間で起こしてリフレッシュしてあげる。本当に睡眠不足がひどいと思われる場合には、次の授業に多少遅れても1時間以上、寝かせてあげる(ベッドの空きがあればですが)ことも、しかたないと考えます。
2.過呼吸を起こした生徒が、発作後にとても深い睡眠を取ることが多いと感じますが、そのような機構がありますか?
これは、あまり意識したことがなかったのですが、過換気の時には、交感神経が極度に緊張していますから、それが終わった後は、反動で副交感神経優位になって、ぐっすり眠れるのではないかと思います。
メインページに戻る
2011年7月21日 記載
|